当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、次のようなものがあります。なお、文中に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループでは、「リスク管理委員会」にて当社グループの経営方針、事業目的等の達成を阻害する全てのリスクの把握を行うとともに、リスクの低減、移転、回避等のための実施、監視及び改善等の活動を行っております。
1. 特定アプリケーションへの高い依存度について
当期における水晶製品事業の連結売上高の割合は99%を超えております。また、主力市場がスマートフォン関連向けであり、大手メーカーと取引関係にあることから売上高構成が偏重する傾向にあります。こうした状況に対し、IoT通信モジュール、モビリティ、医療ヘルスケアといった将来的に成長が期待される市場に対し、拡販及び新規開拓活動を実施することで、偏重リスクを軽減していくことを戦略の1つとして位置付けており、当期においてはIoT通信モジュールが伸長したことで偏重リスクが軽減されております。今後も注力市場への販売拡大に注力していきますが計画通り進まない可能性があります。また、水晶製品における技術革新や製造技術の変化、水晶製品に代わる代替製品の台頭等により、当社グループ製品の競争力が低下した場合、当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
2. 水晶製品の需要と価格変動について
当社グループの水晶製品は、最終消費者向けの製品に使用される割合が高くなっております。このため、個人消費等の後退局面下においては、主要販売先の在庫調整により需要が減少することがあります。また、需要後退局面では企業間競争の激化とそれに伴う販売価格の下落が考えられます。こうしたリスクに対し、成長市場へのマーケティング戦略の実施、適正な収益が見込める価格での販売拡大といった収益構造改革を推し進めていますが、市場価格の下落や主要販売先の生産量の減少が想定を上回った場合、当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
3. 製造機能の一極集中について
当社グループが販売する水晶製品については約9割を青森リバーテクノ株式会社が製造しております。青森リバーテクノ株式会社は、青森県内において工場が分散しており、同時に損害を被る可能性はきわめて低いと推測しておりますが、台風・地震等の自然災害や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のようなパンデミックが発生した場合は、生産能力の低下により当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
4. その他の電子部品事業について
その他の電子部品事業において主要製品である抵抗器は、River Electronics(Ipoh)Sdn. Bhd.で製造が行われております。抵抗器については現在、研究開発は行っておらず、事業のライフサイクルにおいて衰退期にあると認識しており、今後は組織再編等の出口戦略も含め、資産効率の最大化を模索中でありますが、的確な意思決定がなされなかった場合には当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
5. 海外事業に関するリスク
当社グループは、アジア地域において販売子会社2社と製造及び販売子会社、製造子会社の合計4社が海外事業展開を行っております。海外においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期化のほか、法規制の変更等に係るカントリーリスク、輸出入や投資等に係るオペレーションリスクがあり、出向者に対しては海外旅行傷害保険の加入徹底やカントリーリスクに関する情報の収集等に努めてはいますが、リスクが顕在化した場合は当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
6. 人材の確保及び育成について
当社グループは、中期経営方針に「顧客の満足と信頼の獲得」「独創的発想による価値の創造」「持続可能な経営基盤の確立・強化」を掲げ、今後海外販路の新規開拓、拡大を重要戦略の一つにしており、これら方針を実現するためには有能な人材の確保と育成及び企業のグローバルダイバシティ化を浸透させる啓蒙が不可欠になります。 したがって、有能な人材を確保又は育成できなかった場合やグローバルダイバシティ化が浸透しなかった場合には、当社グループの将来性や業績に影響を及ぼす可能性があります。
7. 為替レートの変動による影響について
当社グループの製品は国内で生産される割合が多く、そのほとんどが円建て決済になっております。また、販売においても円建て決済が多いことから、比較的為替変動に対するリスクは高くはないものの、海外連結子会社の現地通貨建ての業績は各決算日現在のレートを用いて円換算され、連結損益計算書及び連結貸借対照表に計上されており、業績、資産・負債は為替レートの変動に左右されるため、為替水準の中・長期的な変動により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
8. 原材料等の供給について
当社グループの購入する原材料等は、原則2社以上からの複数購買を心がけておりますが、なかには特殊性のあるものがあり、複数購買や原材料等の切替えを行うことが困難な場合があります。 したがって、これら原材料等の供給の遅滞、中断や業界の需要の増加に伴う供給不足により、当社グループの生産稼動率が低下する可能性があり、また、代替品の調達のため、多額の資金が必要になる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9. 品質保証に関するリスク
当社グループは、調達原材料等の品質不良の発生防止を含め、製品の品質確保に努めています。また,当社グループの製品は、品質や安全に関するさまざまな法的規制による制約を受けているため、これらの規制の遵守に努めるとともに、製造物責任賠償保険に加入する等の対策を講じています。しかし、大規模な事故やクレームの発生及び製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は,多額のコストに加えて当社グループの社会的評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ,これによって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
10. コンプライアンスについて
当社グループは、わが国をはじめとし、諸外国での事業の遂行にあたり、それぞれの国での各種法令、行政による許認可や規制等の順守に努めておりますが、これらの法令・規制を順守できなかった場合、法令による罰則や訴訟の提起を受ける可能性があります。また、当社グループでは顧客を始めとする利害関係者からの信頼性や企業価値向上のため、「リバーグループ行動規範」を定め、周知徹底し、教育を実施していますが、従業員の法令違反や社会規範からの逸脱行為があった場合、当社グループの事業及び業績並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。