水晶振動子は、正確な時間の基準になったり、電波を制御する周波数の基準として使用されています。
水晶振動子より正確な周波数基準源も世の中に存在します。例えば、原子時計、原子の振動を観測して正確な周波数の基準を作ります。しかし、水晶振動子のように簡単に持ち運べるものではありません。通常、家庭の冷蔵庫ほどの大きさがあります。小さなものも開発されていますが、腕時計やスマホに組み込めるようなサイズではありません。
圧電セラミックを利用した振動子もありますが、精度は水晶振動子の1/10以下です。一日に何分も狂う時計は、あまり使いたくないですね。
ということで、水晶振動子の無い世界を考えてみましょう。
まずは、ケータイ電話(スマホって言わないと年がばれますかね)。
ケータイ電話は、デジタル通信技術とデジタル信号処理技術を応用する事で、世界中の人々が、だれとでもいつでも話をしたり、メールをしたりしています。SNSも日常的な情報ツールとなりました。水晶振動子がなければ、ケータイ電話は、たぶん存在できなくなるでしょう。もし、水晶振動子を使わないアナログ通信機の時代に戻れば、同時に通話できる人は、今の100万分の1以下になるでしょう。とても、一般の人が自由に使える環境ではなくなりますよね。
次に、インターネット
これは、デジタル通信技術とコンピューターによるデジタル信号処理の技術で成り立っています。まずは、コンピューターコンピューターには、水晶振動が不可欠です。なければ誤動作してしまいます。もし水晶振動子を使わないコンピューターを安価に作ろうとすれば、処理能力は、現在の100万分の1以下になってしまいます。たぶん、電卓より少し賢い計算が出来る程度の機械になってしまいます。 インターネット動画配信なんて夢の又、夢の世界になってしまいますね。インターネットでは、文字情報位しか扱えなくなります。
ロボット家電、AI家電
これらも、コンピューターを利用しています。ロボット掃除機は、姿を消します。全自動洗濯機は、昔ながらの手動タイマー式の洗濯機に逆戻りです。
テレビ
デジタル放送が出来なくなりますから、ハイビジョン放送や、衛星多チャンネル放送は無くなります。もし、アナログテレビを復活しても、色制御ができなくなり、画質の悪い白黒放送になります。チャンネル切り替えも、ダイヤル式に逆戻りかもしれませんね。
自動車
今はやりの自動運転は無理ですね。また、安全装置や快適装置の多くが作れなくなります。カーナビも動作しませんから、紙の地図に逆戻りかもしれないですね。エンジンの電子制御が出来なくなりますから、燃費はかなり悪くなるでしょう。電気自動車なんて、夢の世界の乗り物になるかもしれないですね。
鉄道
ダイヤ運航管理を人手で行う必要があります。都市部では、とても今の本数を管理できませんから、通勤ラッシュは、大変なことになります。新幹線も、運営できるか怪しいですね。
バーコード
スーパーマーケットのレジを始め、多くの分野で利用しているバーコードによる、販売管理システムが使えなくなります。レジのパートさんは、金額を手で打ち込むことになります。スーパーやデパートでは、大変な混雑がよそうされますね。
コンビニ
現在のコンビニは、情報処理システムと配送・物流システムの高度な連携で成り立っています。多分、昔ながらの雑貨屋さんや、だ菓子屋さんに逆戻りですかね。
なんか、街頭テレビでプロレスやビートルズを見ていた昭和の良き時代のにおいがしてきます。(年がばれる) つまり、水晶振動子ってとても大切な電子部品なんです。