リバー通信

デジタル信号処理のシッタカ

デジタル信号処理について、デジタル信号処理を応用している分野は、とてもたくさんあります。デジタル化する事で、コンピュータを利用した色々な信号処理が可能となります。だから、現在のコンピューターとネットワークの融合した社会インフラととても相性が良いのです。

ここでは、デジタル信号処理の時間軸管理についてお話を進めていきます。そう、デジタル信号処理の世界では、時間軸を上手に使う魔法が隠されているんです。

分かり易く、電話のお話をしましょう。糸電話の場合(アナログ電話の場合出もいいですが)、2人が離れて会話をするためには、二人を繋ぐ、線が一本(電話だとプラス線とマイナス線の一組で一本と考えてください)必要になります。

では、4人が二組に分かれて、それぞれ会話する場合はどうですか?2本必要になりますね。100人が、2人づつ組になって話すと、50本の線が必要になります。昔、アナログ電話の時代は、電話の交換局同士を繋ぐ電話線は何千本もの細い被服銅線を束ねた太いケーブルを使用していました。電電公社(古い!今のNTTさん)の研究展示などで、展示されたものを見ると、チョット驚きでした。

これが、デジタル電話になったら、何と一本の光ファイバーで、同等以上の通信が可能なんです。つまり、光ファイバー一本で何千人もの人が会話できるのです。実は、今はインターネットで皆さんが動画や画像等みるので、とてつもない情報を送らなければならなくなり、結局、何百本かの光ファイパーを束ねた太い線を幹線網では使っています。(笑)

さて、何でデジタル通信だと一本でたくさんの人たちが通話できるのでしょう?混線とか心配ですよね。アナログ信号である音声をデジタル化するとき、どんな処理をしているのでしょう?アナログ信号は、時間的に連続な信号なのですが、デジタル化する時は、一定間隔の時間で信号をサンプリング(標本化)します。つまり実線の曲線から、点線の曲線にする感じです。そして、その点の座標を数字化します。数値データを方眼紙にグラフ化する手順を逆に行うイメージですかね。

このようにして数値化したデータを一定時間ごとにギュッと圧縮してカプセル化します。そして、誰から誰へ送るのか荷札をつけます。これを、光ファイバーに順番に流していくわけです。宅配便の手荷物が、ベルトコンベアーで一列になって流れていく感じですね。

このような方法を時分割多重と呼びます。伝送線は一歩なのに色々なデータをカプセル化して送る事で、一本の線で、色々な宛先へ信号を送ることができるわけです。時間をシェアして、一本の線を効率よく使うわけですね。

さて、この話の中で、正確な時間が必要である部分、つまり水晶振動子が必要な部分があります。どこなのでしょう?

一つは、サンプリング時間の管理ですね、決められた時間で、サンプリングして、デジタル信号化し、再生するときも、同じ時間でアナログ化してあげないと、声の質が変わってしまいます。

もうひとつは、カプセルの搬送タイミング・クロック用です。カプセルと表現しましたが、実際は0と1が並んだ何文字かの数字の塊です。どこからどこまでが一つのカプセルなのか?カプセルの中で、0と1の入れ替わるタイミングは、どういう周期なのか?これを間違えないように、送り手と受け手で、同じ時間でタイミングよく送受信動作を行う必要があるのです。

インターネット、電話、デジタルTV放送、無線LAN、すべて基本は同じデジタル信号の通信です。水晶振動子は、色々な情報インフラでも活躍しているのです。

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